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コナガヤ ユキフミ
Konagaya, Yukifumi
小長谷 幸史 所属 新潟薬科大学 応用生命科学部 応用生命科学科 職種 講師 |
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| 言語種別 | 日本語 |
| 発行・発表の年月 | 2025/11 |
| 形態種別 | 論文 |
| 査読 | 査読あり |
| 標題 | クルックス管を線源とした生徒実験の可能性
―タマネギの細胞に対する影響からの考察― |
| 執筆形態 | 共著 |
| 掲載誌名 | 理科教育学研究 |
| 掲載区分 | 国内 |
| 出版社・発行元 | 日本理科教育学会 |
| 巻・号・頁 | 66(2),469-476頁 |
| 総ページ数 | 8 |
| 担当区分 | 筆頭著者,責任著者 |
| 著者・共著者 | ◎小長谷幸史・村上聡・寺木秀一 |
| 概要 | 日本での放射線教育は福島第一原子力発電所の事故以来その重要さが高まっている。物理分野ではいくつかの放射線教育の教材が報告されているが,生物に対する影響を学ぶ教材は知見に乏しい。クルックス管は真空放電を学ぶ教材としてよく知られている。このクルックス管からは電圧を印加することでX線が漏洩することも知られている。そのため,クルックス管は放射線源として用いることができる可能性が考えられる。そこで本研究では冷陰極クルックス管を用いた植物種子への照射を行い,教材としてのデータの収集を行った。クルックス管は7,000 Vの印加により陰極線が見られるようになったが,放射線の漏洩は見られなかった。クルックス管は15,000 Vおよび29,000 Vを印加することで,クルックス管から約20 cm の位置でそれぞれ18および40 μGy/hの線量率が計測された。5種の植物の種に対して,29,000 V の電圧を印加した状態で,30分間および150分間照射することで,それぞれ20および100 μGyの線量の照射を行った。照射の影響が見られたのはタマネギの種子のみ,発芽後の根の伸長の促進が観察された。さらに,根端分裂組織の細胞を観察すると,細胞分裂の促進と,核が長円状になっていたことが観察された。これらのことから,クルックス管は生徒実験で放射線を扱う際の線源として用いる事ができる可能性が示された。 |