マエダ タケヒコ   MAEDA TAKEHIKO
  前田 武彦
   所属   新潟薬科大学  薬学部 薬学科
   職種   教授
研究期間 2013/04~2015/03
研究課題 骨転移痛におけるセマフォリンの病態生理学的役割の解析
実施形態 科学研究費補助金
研究委託元等の名称 日本学術振興会
研究種目名 基盤研究(C)
科研費研究課題番号 25460108
キーワード セマフォリン, がん疼痛
代表分担区分 研究分担者
代表者 尾崎 昌宣
概要 セマフォリンのがん疼痛における機能的意義を明らかにするために、セマフォリンの発現阻害処置を施した腫瘍細胞を移植し、その影響を検討した。セマフォリンに対するshRNAをベクターに組み込んだレンチウィルスを、マウス肺がん由来腫瘍細胞(LLC; Lewis Lung Cancer Cell-GFP)に感染することにより、セマフォリン遺伝子ノックダウンLLC細胞の樹立を行った。培養LLCのRT-PCRを行った結果、5種類の配列の異なるshRNAのうち4種類について、50%以上のセマフォリンmRNA発現低下が認められた。なお対照群として、スクランブル配列shRNAを含むベクターを感染させたLLCを移植したマウスを用いた。移植は、LLC細胞を継代したのち回収し、調製した細胞懸濁液を右後肢大腿骨骨髄腔へ投与することにより行った。疼痛の測定は、インキャパシタンスメーターを用いたweight bearing-test法により、両側それぞれの後肢に対する体重の付加重量を測定することにより行った。移植後2週目よりスクランブルshRNA感染群では、移植側後肢への負荷重量が、偽手術群に比べて有意に低下した。一方、4種類のセマフォリンshRNA LLCクローン移植群では、1種類のクローンについては、スクランブル感染群と同程度の負荷重量の減少を示したが、3種類のクローンについては負荷重量減少の顕著な抑制がみとめられた。以上の結果は、LLC細胞由来のセマフォリンが腫瘍移植による疼痛形成に寄与することを示唆する。がん疼痛形成における、腫瘍由来セマフォリンの機序について、今後明らかにしていく必要がある。