トウ ヒデヒロ
藤 英博 所属 新潟薬科大学 応用生命科学部 学部付 職種 教授 |
|
研究期間 | 2011~2013 |
研究課題 | 腸内フローラを用いた動物個体識別法の開発 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 挑戦的萌芽研究 |
研究機関 | 麻布大学 |
課題番号 | 23651186 |
代表分担区分 | 研究分担者 |
研究者・共同研究者 | 森田 英利,服部 正平,藤 英博 |
概要 | 野生動物保護や害獣管理には、個体識別が重要である。標識による識別、視覚的特徴による個体識別法があり、生態学や野生動物学分野において一定の成果を上げてきた。しかし、それぞれに問題点や不確定な要素が否めないとの指摘もあり、より確実で簡便な個体識別法が望まれている。本研究は、対象動物を捕獲することなくサンプル採取が可能な糞便に着目し、その糞便中に含まれる腸内細菌叢(フローラ)を用いた新たな個体識別法の開発をめざした。まず、日本の動物園で飼育されている32頭のオランウータンの糞便を、最短でも3か月以上の間隔をあけて各個体3回ずつ採取した。各サンプルから高純度の細菌由来ゲノムを精製し、網羅的16Sリボソーム遺伝子解析(16S解析)を行った。得られたDNA配列情報を用いてUniFrac解析(群集解析)した結果、同じ個体の腸内細菌叢は、32頭中28頭のオランウータンでクラスタリングし、他の個体とは区別できた。すなわち、腸内細菌叢の群集解析によりオランウータン(動物)を個体識別できる有用な結果を得ることができた。また、オランウータンの腸内細菌叢は、ヒト、ジャイアントパンダ、マウスとは異なるクラスターを形成していることも確認された。 |
PermalinkURL | https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-23651186/23651186seika.pdf |