マエダ タケヒコ
MAEDA TAKEHIKO
前田 武彦 所属 新潟薬科大学 薬学部 薬学科 職種 教授 |
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研究期間 | 1995~1996 |
研究課題 | 神経細胞死における一般化窒素の役割と保護因子による制御 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 基盤研究(B) |
科研費研究課題番号 | 07457539 |
キーワード | ニューロン, 細胞死, NMDA受容体, ホスホリパーゼC-δ, α-ブンガロトキシン, グルタミン酸, 初代培養神経細胞, アルツハイマー病, アセチルコリン, 一酸化窒素, アセチルコリン受容体, 神経細胞死, 培養細胞, 大脳皮質, ニコチン |
代表分担区分 | 研究分担者 |
代表者 | 赤池 昭紀 |
概要 | 本研究は、脳虚血およびアルツハイマー病等の中枢神経変性疾患における神経細胞死の発現機序の解明を目指して、ラット胎仔由来培養大脳皮質細胞における一酸化窒素(NO)を介するグルタミン酸神経毒性の機序ならびにニコチンの神経保護作用の機序を調べた。グルタミン酸やN-methyl-D-aspartate (NMDA)などの興奮性アミノ酸の短時間投与により遅延性神経細胞死が誘発された。グルタミン酸神経毒性に対するニコチンの保護作用はニコチン受容体の競合的拮抗薬であるヘキサメトニウムにより拮抗された。ニコチンはカルシウム・イオノフォアであるイオノマイシン誘発神経毒性に対して保護作用を示したが、NOドナーであるS-ニトロソシステイン誘発神経毒性には保護作用を示さなかった。以上の結果は、ニコチンがニコチン受容体を介してNO産生を抑制することにより、グルタミン酸神経毒性を抑制することを示唆する。また、我々はアルツハイマー病患者剖検脳に特異的に観察される神経原線維濃縮体・老人斑中心部・神経網糸が、抗ホスホリパーゼC-δ (PLC-δ)抗体に対して免疫反応性を示すことを明らかにした。そこで、培養大脳皮質細胞におけるPLC-δ様免疫反応性に対するグルタミン酸の影響を検討した。グルタミン酸の短時間の曝露により、濃度依存的に抗PLC-δ抗体に対する免疫反応性の増大がみられた。この増大はNMDA受容体拮抗薬のMK-801あるいはNO合成酵素阻害薬のN^ω-nitro-L-arginineの投与により抑制された。これらの結果より、アルツハイマー病患者の脳で観察されたPLC-δの上昇はグルタミン酸によるNMDA受容体刺激を介したNO生成によって引き起こされる可能性が示唆された。以上の成果は、中枢神経変性疾患に対する神経保護薬の開発研究を推進する上で重要な基礎的資料を提供するものと考えられる。 |