マエダ タケヒコ   MAEDA TAKEHIKO
  前田 武彦
   所属   新潟薬科大学  薬学部 薬学科
   職種   教授
研究期間 2015/04~2018/03
研究課題 がん疼痛形成における腫瘍細胞由来セマフォリン3Aの役割
実施形態 科学研究費補助金
研究委託元等の名称 日本学術振興会
研究種目名 基盤研究(C)
科研費研究課題番号 15K08682
キーワード 骨痛, 骨芽細胞, miRNA, 骨転移腫瘍, mTOR, セマフォリン, 腫瘍細胞
代表分担区分 研究代表者
代表者 前田 武彦
概要 診断および治療の観点から、セマフォリン3Aシグナルに関連するmiRNAの発現解析を進めてきた。マイクロアレイ解析の結果から、セマフォリン3Aシグナルに特異的に関与するmiRNAとその標的候補分子を複数同定した。その1つとして、ヒト肺癌細胞株miRNA のマイクロアレイ解析により、Sema3A のノックダウン細胞株で、hsa-miR-100-5p の減少が認められた。そこで、miRNA のqRT-PCR を実施し、Sama3A ノックダウン細胞株で、hsa-miR-100-5p の減少を確認した。この結果は、Sema3A シグナルの下流で、hsa-miR-100-5p が上方調節されて、その標的分子がSema3Aの作用に関与すると考えた。miRNA は、複数の分子を標的とすることから、miRNA のデータベース(DIANA TOOLS)を利用した。危険率の低さを指標として抽出し、がんに関する伝達経路である、PATHWAYS IN CANCER に注目した。そして、hsa-miR-100-5p の標的分子としてFGFR3(線維芽細胞増殖因子受容体)が確認された。Sema3A のノックダウンにより、FGFR3 mRNAの減少がQRT-PCRにより認められた。Sema3A のノックダウンによる増殖抑制とFGFR3の機能を考慮すると、本結果自体には矛盾はないと考える。しかし、Sema3A のノックダウンにより減少したhsa-miR-100-5p の標的であることを考えると、FGFR3 の減少は矛盾している。この矛盾に対する説明として、Sema3A による増殖作用にhsa-miR-100-5p が直接関係する可能性が低いことが考えられる。すなわち、hsa-miR-100-5p の増加は、Sema3A 依存的増殖に対するフィードバック抑制シグナルの構成分子であるのかもしれない。miRNA に対する機能阻害実験等を通じて、上記仮説を検証する必要がある。