マエダ タケヒコ
MAEDA TAKEHIKO
前田 武彦 所属 新潟薬科大学 薬学部 薬学科 職種 教授 |
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研究期間 | 1998~1999 |
研究課題 | 培養中脳切片におけるドパミンニューロン死実験系の確立 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 奨励研究(A) |
科研費研究課題番号 | 10771287 |
キーワード | 神経細胞死, グルタミン酸, 切片培養, NMDA, ドパミンニューロン, 線条体, 中脳黒質 |
代表分担区分 | 研究代表者 |
代表者 | 前田 武彦 |
概要 | ラット新生仔中脳切片の培養法とその培養切片における細胞死評価系を確立することならびにNMDAの生存への影響について検討した。はじめに中脳切片培養の至適条件を検討し、培養切片についてドパミンニューロンを特異的に標識する抗チロシン水酸化酵素(TH)抗体を用いて免疫組織化学染色を行った。その結果、顕微鏡下でのドパミン神経細胞数の評価系が確立された。また、初代培養系で観察されたNMDA受容体作用薬であるNMDAのドパミンニューロンに対する毒性について調べた。NMDAの24時間投与により中脳ドパミンニューロン死が惹起された。さらに、黒質ドパミンニューロンの主要な投射領域である線条体の切片を中脳切片と共培養し、黒質-線条体ドパミン神経系のin vitroにおける再構築を行った。その結果、中脳と線条体を接触させた共培養では線条体領域における中脳ドパミンニューロン突起伸展が観察された。しかし、小脳と接触させて共培養した小脳領域および線条体と接触させずに共培養した線条体領域ではドパミンニューロンの突起伸展は観察されなかった。次にNMDA誘発ドパミンニューロン死に対する共培養の影響について検討した。NMDA誘発ドパミンニューロン死は線条体と接触させた共培養により中脳単独培養切片に比べて減少した。しかし、小脳と接触させた共培養および線条体との非接触共培養によりNMDA誘発ドパミンニューロン死は影響を受けなかった。以上の結果は中脳ドパミンニューロンの線条体への投射はNMDA誘発ドパミンニューロン死を減弱することを示唆する。 |